インプラントについて
インプラント、インプラント、インプラント、今歯医者では空前の大ブームです。
少なくとも20年前、私が歯科医師になったころには、あまり一般的ではありませんでした。
奈良県立医科大学の医局でも、失敗したインプラントを取り除くばかりで、インプラントをする人は誰一人いませんでした。
しかし、最近では多くの歯科医師がインプラント治療を行っています。
その決定的な理由は、インプラントと骨を結合させることで、歯がしっかり噛めるようになり、患者さんが改善したと勘違いしてしまうからです。
そのため、インプラントは健康保険が適用されず、1本に付き、30万～50万円、上下全額なら100万円以上と多額な金額でもついついお金を払ってしまいます。
インプラントの
大きな落とし穴
インプラントの成功基準を調べてみると、5年間抜けずに口の中にとどまっていれば、インプラントの周りに炎症が発生する可能性があり、炎症が進行している最中であっても成功だという声もあります。
さらに、治療すれば治る可能性が十分にある歯でも、「治らない可能性がいくらかある」などの理由で、インプラントをすすめる歯科医院もあると聞きます。
その昔、歯の痛みに対して、歯を抜くしか手段のないころと同様、まさに歯抜きと入れ歯屋の職人仕事のように思います。
当院では、わずか1％でも治る可能性があるなら、病気と闘い、全力で治癒させることこそが、医学の進歩に貢献するのだと考えます。
当院が
インプラントではなく、
入れ歯治療をすすめる理由
インプラントが上皮を貫き骨にねじを突き刺す行為である以上、そこに慢性の炎症が起こる可能性があります。
ただ、インプラントが抜けるまでに時間がかかるので、健康と引き換えに入れ歯のわずらわしさから解放されて喜ぶ患者さんもたくさんいるようです。
もう一つの理由に、痛くなく、何でも咬めて、ガタつかず、一生使える入れ歯を作れる歯医者はほとんどいないと考えます。
当院でも、なかなかうまく行かない患者さんがいない訳ではありませんが、ごく少数の方で、必ず克服できると考えています。
そのため、試行錯誤を続けながら、全力を尽くして原因を追及し、患者さんに適切な入れ歯作りをサポートします。