歯周病について
年のせいで歯が抜けるのは
大間違い
どんな人でも、歯科で歯を抜かれるとき、老衰とか寿命といった理由で歯を抜かれることはありません。
人の歯は100歳を超えても正常に機能するようにできています。歯を失う主な原因は歯周病なのです。
一生自分の歯を守るなら、歯周病を治すことが必要です。
残念なことに、歯周病を治せると明言している人はほとんどおらず、完全に完治することはないので、治らないまま急性化を防ぐこと(病状安定)を目指しています。結局のところ、いずれは徐々に進行し、歯周病で歯を失うのです。
しかし、歯周病は治せる病気です。最も確実に治す方法は歯科でクリーニングを行うことですが、プラークが歯周組織に害を及ぼす前にクリーニングするには2日に1度は受診する必要があります。
一度失った歯肉や骨がまったく元通りに再生することはありませんが、胃がんで胃を失っても、再発しないことが胃がんの完治であるように、歯肉や骨の炎症がなくなり、健康になった後、ずっと再発しないことが歯周病の完治なのです。
一生自分の歯で噛むために
人が歯を失う最も大きな原因は歯周病です。
もしもあなたが一生自分の歯を抜かれたくないとお思いでしたら、できる限り早く、本当に治すための歯周病治療に取り組まれることを強くおすすめします。
歯周病セルフチェック
このチェック表に一つでも当てはまる方は、歯周病がかなり進行している可能性が高いと思われます。
- 歯磨きの際、歯ぐきから血が出る
- 口臭がきつくなった
- 歯ぐきが腫れている
- 歯がグラグラする
- だんだん歯ぐきがやせている
- 歯が浮いたような感じ
- 歯が長く見える
- 硬いものが噛めない
これらに心当たりのある方はできるだけ早く、当院にお越しください。
歯周病ってどんな病気?
歯周病を語る上で一番大事な部分についてまず解説させていただきます。これが歯周組織です。
歯周組織とは、歯の周りにあり、歯を支える組織です。
- 歯肉(よくはぐきと呼ばれています。健康な歯肉の厚みはたったの1mmです)
- 歯槽骨(歯肉のすぐ下にある骨です。実質上、この歯槽骨が歯を支えています。炎症を起こすと溶けてしまい、歯を支えられなくなります)
- セメント質(歯の根の周囲を覆っています)
- 歯根膜(セメント質と歯槽骨をつなぐクッションです)
この4つの部位からなり、皆さんの歯を支えています。
歯周病は、歯と歯肉の境いめに歯垢(バイ菌)が付着し、このバイ菌が出した毒素により歯肉に炎症が起こります。
歯周病の進行の仕方
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初期
初期の段階の歯周病は歯肉炎と呼ばれ、歯ぐきが赤く腫れ、時には歯磨きで血が出ることもあります。歯周ポケットの中にプラークや歯石が付着した状態が続くと歯肉が炎症を起こします。歯周ポケットの深さは2~3mm程度。
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歯周病軽度
冷たい水がしみることがあります。歯肉炎からさらに細菌感染が進んだ状態です。歯肉は赤黒く腫れています。この時点で歯周病だという自覚はほぼありません。歯周ポケットの深さは3~4mm程度。
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歯周病中度
歯肉の炎症はさらに進み、歯ぐきの赤みと腫れは増します。歯磨きでの出血も多くなり、歯周ポケットも深くなります。レントゲンでもわかるほど、歯槽骨が減ってきます。人によっては歯周病を自覚します。
歯周ポケットの深さは4~5mm程度。 -
歯周病重度
歯肉の炎症もかなり進み、歯ぐきの赤みと腫れは増し、ぶよぶよとした歯肉になります。歯肉は若干下がり、歯周組織の破壊も進行します。歯磨きの際に膿が出ることもあり、口臭などもきつくなります。歯周ポケットの深さは5mm以上。
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歯周病末期
歯肉は赤紫色に腫れあがり、すぐに出血し、膿が出ます。歯と歯のすき間も目立ち、歯が揺れてきます。咬む力が弱くなり、歯が抜け落ちることもあります。
歯周病は
気がつきにくいからこそ、
注意が必要
人が歯を失う最大の原因は、歯周病であるというのは何度も説明させていただきましたが、歯周病の怖さは自覚症状がほとんどないことです。
実際ほとんどの成人が歯周病にかかっているにも関わらず、気がつくころには手遅れになっている場合がほとんどです。
当院では、ごく初期の歯周病から徹底的に治療を行い、歯周病が治った上で、歯周病にならないための予防が大切だと考えております。
当院が行う歯周病を治す
飯塚式刷掃法
歯周病の原因は、歯の周りに付着した細菌です。
そのため、これを徹底的に除去すれば治ります。ここで効果が期待できる治療法は、歯周病を治すための特殊な歯磨き:飯塚式刷掃法です。
歯磨きそのものが歯周病の治療なのです。
もちろん歯磨きだけで治らない場合もあります。歯石を取ることも必要ですし、外科手術によって歯肉の形を改善する場合もありますが、適切な歯磨きなくして歯周病の完治はありません。
しかし、大多数の歯科医師が「治らない」と言っているように、歯周病を治すことは並大抵のことではありません。
時間をかけて、直接当院の歯科医師および、歯科衛生士の指導を受け、歯磨きの訓練をする必要があります。
飯塚 哲夫
- 医療法人菁莪会 口腔研クリニック 理事長・名誉院長
- 埼玉歯科衛生専門学校校長
- 歯学博士
- 特定非営利活動法人日本歯科医療水準評価機構理事長
- フランス国立歯学アカデミー外国人会員
- 近代口腔科学研究会理事長
- 学校法人知音学園理事長
- 歯科医師臨床研修指導医
一番大切なことは、
飯塚式刷掃法を
身につけることです
「今までの常識=歯周病が治らない」。そのため、これを変えなくてはいけません。
いつでも歯磨きができるように、常に歯ブラシを持ち歩くよう心がけましょう。お風呂に入りながら、テレビを見ながら、車に乗りながらなど、いつでも歯磨きができるように環境を整えてください。
具体的な歯磨きの方法
磨き忘れのないように
順番を決める。
1本の歯ごとに、
外側・内側を別々に磨く。
以下の3種類の方法を
すべて行う。
歯の付け根から、歯の頭に向かってブラシを回転させ、歯垢(細菌)を大雑把に落とす。(単に歯の表面の歯垢を落とすことが目的です)
一般的にはスクラビング法(溝磨き)をされている方が多いのですが、歯のつけ根が磨耗することが多いため、害の少ないローリング法をおすすめしています。
歯の横からしっかり毛先を押し込み、歯と歯の間を磨く。
この方法をマスターすれば、特殊な場合を除いて、歯間ブラシやデンタルフロスなど補助器具の必要はなくなります。
毛の内側1列だけを歯と歯肉の間に入れ、歯周ポケットの歯垢を除去する。
この時、親指に少し力を入れ、歯肉に少し圧をかける。歯2本分くらいの幅でリズム良く動かす。
※歯肉が腫れて、歯ブラシを当てると痛いときは、よくなるまで柔らかい歯ブラシで、そっと磨く。
出血する場合は、そこに細菌が溜まっている証拠なので、痛くない程度に特に念入りに磨く。
本当に自分の歯を一生守りたいとお考えの方は、一般的な常識に惑わされることなく、飯塚式刷掃法に取り組まれることを強くおすすめします。
生涯にわたり歯周病で
歯を失わないための治療法
歯周病の原因は歯と歯肉の間についている細菌です。ですから、これを徹底的に除去すれば治ります。最も確実な方法は、2日毎に歯医者に通って歯の周りを徹底的にクリーニングしてもらうことです。しかし、これが現実的に可能な人はほとんどおられないでしょう。
ではどうしたら良いのか、それは、歯周病を治すことのできる特殊な歯磨きの方法を身につけることです。当院に来られるすべての患者さんにお話している通り、”歯磨きそのもの”が歯周病の治療なのです。
歯根にこびりついた歯石を取ったり、骨を失った歯ぐきを外科的に切除することも必要ですが、適切な歯磨きなくして歯周病の治癒はありえないのです。
大多数の歯科医師が「治らない」と言っているように、歯周病を治すことは並大抵のことではありません。相当な時間をかけて、直接当院の歯科医師および歯科衛生士の指導を受け、歯磨きの訓練をする必要があります。
一番大事なことは、今までの常識はきっぱり捨てて、正しい磨き方を身につけるということです。
最初の取り組みとして、いつでも歯磨きができるように、常にハブラシを持ち歩いてください。お風呂に入りながら、テレビを見ながら、ぼーっとしながら、いつでも歯磨きができるように環境を整えてください。
歯周病の治療の流れ
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Step01歯周病の検査
レントゲン写真・口腔内写真、詳しい歯周病の検査を行い、徹底的に今の歯周組織の状態を調べます。
歯周病治療は進行状態によって治療法が変わることもあるため、検査結果から一番良い方法を一緒に考えます。 -
Step02歯周病を治せる
歯ブラシ法の習得歯周病の原因となる歯垢は毎日作られます。
毎日の歯ブラシの当て方が適切でなければ、日に日に歯周病は進行していくため、歯周病を治すための磨き方を習得していただきます。 -
Step03歯垢・歯石を除去
歯垢が石のように硬くなったものが歯石です。
歯石は歯ブラシでは取ることができないので、超音波や専用の器具で除去します。 -
Step04歯ブラシの当て方の
再チェック・再検査歯ぐきの中にある歯石の除去や、再検査後も改善が見られない進行が進んだ箇所は外科処置などを行うこともあります。
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Step05歯周病が治っているか
定期的にチェック当院の歯周病治療はDHの担当制をとっていますので、同じ目で経過をしっかりと診ていきます。
治療時のご質問やご相談も行いやすいかと思います。